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March 14,2023
【空撮】道路や歩道の一部を離発着地点としてドローンを飛ばす方法

北海道もここ数日ですっかり暖かくなり、雪解けが一気に進みました。
いよいよ撮影シーズン到来といったところですが、本日はなにかとややこしい「都心部でのドローンによる空撮」の手続き方法についてご紹介したいと思います。

旭川市にあるマンションのプロモーション動画制作

【ドローンの法整備】
かれこれ2015年ごろから空撮業務を行なっていますが、当初はまだ法整備も進んでおらず、ドローンを飛ばすにはかなりお手軽な時代でした。
一般人でも飛ばせるということで、私の周りでも個人でドローンを購入される方も多かった印象があります。


最初に買ったドローンのPHANTOM 2はいまでは考えられないが、カメラ非搭載。そのためGo Proをジンバルに装着して撮影する必要があった(撮影中の画面を手元で確認できない!)

ほどなくして首相官邸にドローンが落下するという事件があり、それから一気に色々な規制が進み、今では許可無しで飛ばせる場所も国内の都心部ではほとんど見当たらないという状況になっています。
その後2022年6月からはドローンの機体登録を義務化するということになり、空撮業務はほぼほぼ業者への委託となった会社さんも多いのではないでしょうか。

カメラ一体型のPHANTOM3が登場して一気に空撮が手軽なものになった。

Creekvitでは初期の段階から空撮を業務として請け負っていて、年間の包括申請はもちろん、昨年の機体登録に際してもすぐに手続きしました(空撮関係の申請は時間がかかる場合がほとんどなので、早めの手続きがおすすめです)


コンパクトなMavic Proはどこにでも連れて行ける最高の機体でした(のちにジンバル部分が弱点ということが発覚)


Creekvit初の海外ロケは2017年のシンガポール「The Fullerton Bay Hotel」にて。Mavic Proでダイナミックな映像が撮れました。


当時のシンガポールはどこでも飛ばせたので(今はわかりません)様々な角度から撮影してきました。撮影場所となったルーフトップバーの店長も「ドローン?見せてくれ!」といった雰囲気で、非常に仕事がしやすかった記憶があります。

【人口密集地での空撮許可申請】
包括申請では日本全国の人口密集地でドローンを飛ばすことができるという許可を取得しています(毎年更新する必要があります)
一定の条件はありますが、国土交通省が管理している「ドローン情報基盤システム2.0」にアクセスして所定の手続きを踏めば、許可の取得が可能です。

ドローン情報基盤システム2.0

余談ですが、この許可も2016年ごろまでは紙による手続きだったため、なにかと大変だった記憶があります。
担当者の方に電話で何度も修正箇所を確認し(みなさん非常に丁寧に対応してくれました)不備が無ければようやく許可が下りるといったものでした。
現在ではシステムも整備され、かなり使い勝手の良いものになっています。


【人口密集地の確認方法】

では人口密集地とはどこなのか?となると思いますが、国土地理院が出しているこちらの「地理院地図」というものが参考になります。

地理院地図で最新の人口集中地区が確認できます。

アクセスして人口集中地区(現在は令和2年版が最新です)を表示させると、該当地域に赤く色がついて一目でわかります。
この赤く色がついている場所でドローンを飛ばす場合に、許可を取得する必要があります。
撮影ごとに毎回申請していてはお互い大変なので「一年間日本全国どこでも飛ばして良いですよ」というものが、前述した年間の包括申請となります。

人口密集地での撮影許可証

この包括申請と合わせて、ドローンの機体登録もお忘れなく。
手数料は少々かかりますが、こちらもWEBで全て完結しますので、早めにやっておくことを推奨します。

地理院地図を見ると、東京など首都圏はほとんどが人口密集地になりますので、許可無しで飛ばせる場所はほぼありません。
過去にCreekvitでも防衛省の行事を空撮するという仕事を請け負いましたが、都心部は飛行禁止場所だらけですので、関係各所との手続きは非常に大変でした。

市ヶ谷・防衛省での空撮業務。真夏の東京で飛ばしたため、バッテリーがとてつもない熱さになりました。

北海道ですと、札幌以外の地域では人口密集地がほとんどありません。
そういった場所であれば、空撮をするにも非常に簡単です。

牧場のような広大な敷地があれば空撮もスムーズに行えます。

新築マンションの着工前に行う「各階眺望撮影」などでも、基本的にクライアントさんの所有する敷地内からドローンを飛ばしますので、あまり撮影前の手続きに追われることはありません。

マンションの着工前に行う眺望撮影の様子。


晴天時の空撮にはモニターのサンシェードが必須です。

都心部でクライアントさんの社屋や駐車場など、私有地を使えない場合は離発着地点を探すことから始まります。
過去にも河川や、近隣の会社さんにお願いして離発着地点を作ることもありました。

ですが、当然毎回うまくいくわけでもないので、その場合には道路や歩道の一部を離発着地点として使用します。


【警察署への道路使用許可の申請】

ここで必要となるのが、警察署への申請手続きです。

道路使用許可については、おそらく工事関係の業者さんでしたら馴染みのある手続きですが、一般人にとっては少しハードルが高いと思います。
基本的には撮影する場所の最寄りの警察署が窓口になります。
疑問点があれば管轄の警察署に問い合わせるのが確実かと思います。

北海道の場合、まず北海道警察のWEBサイトから手続きをします。現在では電子申請が可能ですので、とても楽になりました。
手数料の納付もクレジットカードでオンラインで支払いが可能です。


【電子申請のやり方】

今回は北海道を例に申請の進め方を紹介します。
事前にアカウントを作成し、申請ページへと進みます。

「道路使用許可の申請」から電子申請を行います。

次のページで必要な項目を入力していきます。

次に添付資料の追加が求められます。

北海道警察のWEBサイトから申請書のフォーマットをダウンロードして作成できます。
申請書に添付する追加資料については自分で作成する必要があります。
といっても難しいものではなく「離発着地点がどこなのか」ということがわかればOKです。
手書きの地図などでも良いみたいですが、私の場合はGoogleマップなどをスクリーンショットで保存して、Photoshopなどでイラストや文字を追加して作成しています。

・離発着地点の場所
・作業内容
・安全に作業を行うための方法

上記の項目を伝えられれば特に様式は問わないようです。
ただし、それぞれ具体的に記述する必要はあります。
Creekvitではこういった空撮時には必ず安全監視員を立てて、離発着地点は赤いコーンで囲って作業を行なっています。

添付が完了したら手数料の決済を行います。
決済が終われば手続きは完了です。

不備などがあれば申請先の警察署の担当者の方から連絡が来ると思います。
なにもなければ数日で許可が下ります。

許可が下りたら「道路使用許可証」を受領する必要がありますが、これもオンラインで…とはならず。
最後の使用許可証だけは申請先の警察署の窓口へ受け取りにいく必要があります。

なお、これは地域差があるかもしれませんが、撮影開始日時よりも前に使用許可証を受け取りに行っても渡してもらえません。
たとえば当日の朝8時から撮影したいので、前日の午後などに窓口へ行っても許可証はもらえないので、ここは注意点です。
実際の撮影は天候やその他アクシデントなども十分に考えられるので、前後余裕をもった期間で申請することをおすすめしています。

今回は道路や歩道の一部を使ってドローンによる空撮を行う方法を紹介しました。
春の訪れとともに、ドローンで空撮をする機会が増えるかと思いますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。