こちらは官公庁の担当者に向けた記事になります。
仕様書の内容について迷っている方や毎年行っている動画制作の役務があるが、前年と同じ仕様ではなくアップデートさせたい方など、
官公庁が作成する仕様書に対して、私たちがどのようなところを見るのか、
またここの仕様を一言加えるだけでクオリティが増したり、費用が抑えられる部分などをお伝えできればと思います。
今回はイベントやインタビューを入れた紹介動画など広報・プロモーション動画に関する役務を取り上げてご紹介致します。
まず仕様書の項目について、動画に関する役務の場合、下記のような事項を仕様書に記載すると思います。
【業務名】
【契約期間】
【概要・目的・テーマ】
【撮影場所】
【業務内容】
【撮影時間】
【業務内容】
【撮影】
【編集】
【成果物】
【納品方法】
各項目ごとに確認したい点や記載について説明していきたいと思います。
【業務名】
【契約期間】
【概要・目的・テーマ】
上記3項目に関して、委託者にとっては一番重要な項目ではありますが、決まっている案件の場合はこちらから確認することはありません。
企画提案させていただく場合などは、成果を生み出すヒントとなりますのでできるだけ細かく、また実現したい大きな理想を記載いただければと思います。
【撮影場所】
撮影場所については見積りを算出する上で重要な項目になります。
交通費を算出しやすくするために、場所はできる限り細かく記載があれば嬉しいです。
撮影場所が決まっている場合は良いのですが、
受注者が決まってから協議など、撮影場所がはっきりと決まっていない場合でも、大体で構いませんので想定している場所について記載いただくのが良いです。
スタジオなどが必要となる場合はそのむねの記載するようにしましょう。見積りなどが大きく変わっていきます。
【業務内容】
業務内容については、まず打ち合わせ回数と場所について記載があると良いです。
事前打ち合わせの有無やオンラインで対応できるかどうかの記載があるとスムーズにスケジュールの作成が行えます。
動画の構成案が事前に決まっている場合は、簡易なもので構いませんので記載があるとディレクション費と企画構成費の部分が安くなる可能性があります。
(例えばオープニング→施設紹介【●●●所】→インタビュー【●●●●1名】など)
参考の映像があるとイメージ共有が図れ、より目的に合った動画が作れます。
次に内容について、動画の本数と長さを記載するかと思います。
長さに関しては、広告枠の関係上30秒、60秒などはっきりと決まっていない限り60秒程度などざっくりで構いません。
また動画の種類(実写、空撮、図やイラストを使用したアニメーション、写真素材(レンポジ・提供素材)など)、字幕の有無(日本語・英語)、ナレーションの有無(日本語・英語)などの記載も必須かと思います。
ナレーターを起用する場合は、イメージが決まっていない限りは進めながら決めていく形になると思うので、有無だけの記載でいいと思います。
弊社の場合、男女どちらかがいいかと声のイメージをお聞きし、複数のナレーターの方のボイスサンプルを共有して決定していきます。
【撮影時間】
撮影に掛かる日数とおおよその撮影時間について記載いただけると、より細かく見積りを算出できます。
算出しづらい案件もあるかと思いますが、想定している日数を記載を記載いただき、撮影時間も半日で終わる場合などは費用を安く抑えられます。
実際の撮影のスケジュール感がわからない場合などはご相談いただければと思います。
【撮影】
撮影に関しては、専門的な部分となりますので、仕様書の策定するのが難しい部分があると思いますが、ここの細かい点は制作会社がしてくれると任せてしまっては、クオリティに大きな差が出ます。
まず、収録する解像度についてです。
現在多くのカメラが4K(3840×2160)での収録が可能となっており、データ容量は大きくなってしまいますが、フルHD(1920×1080)とそこまで大きくコストの差はないと思います。
(弊社では、4Kでの収録を標準としています。そのためフルHDでの納品でも4Kで収録を行い、編集後にフルHDにダウンコンバートしています。こちらによりフルHDでありながら、フルHDで収録した素材に比べて明らかに、高精彩な映像の提供を行っています。)
4Kでの収録を標準としている制作会社の場合、4K収録にしたからといって見積りに大きな差は出ないと思います。
長く使用できるような映像をご希望の場合は4K収録をご記載ください。
また色深度を表すビット数も映像の質を決める上で大きな要素となります。
プロモーションなど人を惹きつける映像にしたいなどの思いがあれば、10bitでの収録を記載することもご検討ください。
8bitと10bitの違いなどで検索すると比較映像が出てきますのでぜひ参考にしてみてください。
次にこちらは非常に重要ですが、インタビュー映像を入れる場合は照明機材を入れることの明記と音声収録(インタビュー対象者にそれぞれピンマイク装着など)に関することも明記することを強くお勧めします。
これは正直なくても撮影はできるのですが、あるとないとでは大きな差が生まれます。
業者によってクオリティにばらつきがある状況を避ける上でも、必ず記載してください。
映像表現の方法なども具体的なイメージがある場合や提案を受ける場合など詰めるべき部分はあるのですが(例えば映像表現でスローモーションを使いたい場合、映像収録の際のフレームレートの設定はどのようにして撮るのかなど)、そこは各社の提案になると思うのでこちらの記事での説明は省きたいと思います。
【編集】
編集に関しては、完成イメージの要素である、タイトルなどのテキスト、BGMの挿入、効果音などを含める記載があると良いです。
構成案通りの流れで、全体のトーン&マナーが整えられており、イメージを共有しながら進められれば良いと思います。
【成果物】
mp4、movなど動画形式をご指定ください。
また制作した動画をSNS等に掲載する場合、サムネイルがアクセスを集める上で重要な役割を担っています。
アクセスを集める上で内容を分かりやすく伝えるようなサムネイルを設定すれば、より大きな成果を期待できます。
成果物の動画とセットでサムネイルの制作も仕様書に入れることをお勧めします。
【納品方法】
成果物の納品方法をご指定ください。
データだけでいいのか、記録媒体に入れて納品するのか。
データ量が多い場合、大容量のHDDでの納品もあり得ます。
DVD納品にしてしますと容量が小さく入りきらない場合がありますので注意が必要です。
上記の項目のほかに再委託に関する事項、留意事項、著作権等についてなどがあると思いますが、こちらは標準的なもので大丈夫かと思います。
企画提案の場合は、各社それぞれ内容や撮影方法など独自に提案がなされるとは思いますが、決まった仕様を出す場合は是非参考にしてみてください。
弊社では企画段階からの提案や仕様書についてのご相談、概算の見積書の発行などのお問い合わせもいただいております。
相談ベースでも構いませんので、ぜひお気軽にご連絡ください。