
DVD納品は本当に「終わった技術」なのか
先日、クライアントへDVD(正式名称 : Digital Versatile Disc)納品が終わった際に思いついた記事です。
最近ではDVDドライブ非搭載のPCも増え(Macもすでに10年以上前から廃止)、かつDVD-VIDEOの制作に必要なオーサリングソフトの減少(CreekvitではAdobe Encoreを長年活用していますが、CS6でサポートが終了しました)と、すっかり「終わった技術」と世間では言われています。
ですが、実際の制作現場ではいまだに根強いDVD納品。
どんな業界でも納品とは「依頼された成果物を納める行為」だと思います。
我々のようなWEB制作や動画制作など、無形のサービスを提供する業界では、主に完成したデジタルデータを日々クライアントに対して納めています。
成果物がある程度のサイズ(Creekvit的には100GB以下)ですと、最近ではクラウドを介してアップロードしたデータを送信するという形が主流ですが、意外とDVD納品は廃れません。
ちなみにここで言うDVD納品とは、「DVD-VIDEO形式(プレイヤーで再生する形式)」ではなく、「DVD-ROM形式(USBと同じように扱う)」パターンを説明しています。
それなら最初からUSB納品で良いのでは?と思いますが、そのあたりも踏まえて以下にメリット/デメリットを記載します。
【DVD納品のメリット】
① 追記不可(書き換え防止)
• 一般的なDVD-Rなどの記録メディアは、一度書き込むと内容を書き換えられない。
• そのため、データ改ざんやマルウェア混入のリスクが極めて低い。
• USBメモリは再書き込み可能なため、利用者間でやり取りする際に不正データが混入するリスクがある。
② 物理的に管理しやすい
• USBは小型で持ち運びやすい反面、社内外で紛失しやすいという弱点がある。
• DVDはケースやジャケット付きで納品されることが多く、資産として棚や保管庫で管理しやすい。
• 官公庁や大企業では「記録媒体としての保管性」を重視するケースが多いため、重宝されている。
③ ウイルス感染リスクが低い
• DVDは基本的に読み取り専用であるため、悪意あるプログラムが混入する経路がUSBよりも限定的である。
• USBの場合、オートラン機能によるマルウェア感染など、社内セキュリティポリシーで利用制限されることも多い。
④ ガイドラインや規定に沿いやすい
• 官公庁や金融機関などでは、「持ち込みUSB禁止」や「外部メディア利用制限」のガイドラインが厳格である。
• この場合、DVDやBlu-rayなど書き換え不可のメディアは例外として許可されるケースがある。
上記のように、主に大企業や金融機関、官公庁などの大きな組織はセキュリティ面での制約が多く、結果的にDVD納品を希望されることが多い印象です。
そんなDVD納品ですが、もちろんデメリットもあります。
【DVD納品のデメリット】
① 容量が小さい
• 一般的な片面1層DVDは 4.7GB、片面2層でも 8.5GB が上限。
• 高画質4K動画や長尺データでは容量不足になりやすい。
• USBメモリ(32GB以上が一般的)やクラウド納品に比べ、扱えるデータサイズが制限されてしまう。
② 書き込み・再生互換性の問題
• WindowsとMacで動作検証が必要なケースがある(とはいえ実際の納品で不具合が出たことは近年ではほぼ皆無です)
• プレーヤーによっては読み込めないことがある。(これは1本あたりのデータサイズにより、PCがうまく作動していない場合が多いです)
③ 納品コストがかかる
• DVD1枚あたりの原価は20円程度とコストが発生する(オンラインで送るにしてもクラウドスペースの維持費は必要です)
• 納期にも影響する(USBに格納するのに比べて、DVD格納には少し時間がかかります)
④ 物理メディア特有のリスク
• 紛失・破損リスクがある(USBよりは管理しやすいが、もちろんゼロではない)
• 物理在庫として複数枚制作するとコストが増加する。
• 郵送納品の場合、時間と送料がかかる。
問題はやはり4.7GBという容量制限でしょうか。
4K撮影の場合、フッテージ1本でこれよりも大きいこともあります。
ではBlu-rayディスク(25GBまたは50GB)ではどうか?と思いますが、Blu-rayディスクはDVDに比べて普及率が低いため、クライアント側に対応機器が無い場合が多いです。
大量配布する時などはコスト面でもDVDに軍配が上がります。
【まとめ】
1. DVDはレガシーに見えても、官公庁・大企業ではまだ現役
2. USBよりセキュリティ上優位なケースがある
3. DVD-ROMとDVD-VIDEOは用途が違うため、発注時に形式を明確にすることが大切※間違えがちなポイント
4. Blu-rayよりも再生環境が広く、コスト面でもDVDは優位なことが多い
◇3について補足説明
同じDVD納品でも二通りあるため、必要に応じて制作会社に希望を伝えましょう。
DVD-ROM : USBと同じように扱う。PCのDVDドライブにディスクを入れるとデスクトップにフォルダが表示され、データを保存することができる。
DVD-VIDEO : 市販のDVDプレイヤーなどを介して主にテレビなどで再生するための形式。PCなどにデータとして保存することは基本的に想定していない。
市場全体としてはオンライン納品が主流となり、今後も加速していくと考えられます。
ですが、特定の状況下や業界によってはDVD納品が選択肢として残り続けるでしょう。
発注者として大切なことは、用途に応じて適切な納品方法を選ぶことです。
特に初めて発注さえれる場合などは、クリエイティブのことに集中しがちですが、最後の納品方法についてもしっかり検討することをオススメします。
オンラインで良いか、それともUSB(HDD/SSD)なのか、それともDVD(ROM or VIDEO)なのか。
Creekvitではもちろん全ての納品方法に対応しています。
どういった納品方法が良いのかわからないといった方でも、用途や環境を考慮して提案させていただいております。
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