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April 08,2025
パノラマコンテンツの活用が広がる今、その価値とは

近年、観光地や文化施設における魅力発信を目的とした「パノラマコンテンツ」の活用が注目されているのをご存じでしょうか。
360度の視点で空間を記録・共有できるこの技術は、単なる写真や映像とは異なり、空間そのものを体験するような臨場感が味わえます。
本記事では、パノラマコンテンツの「共有」と「記録」という2つの軸から、その価値と役割についてご紹介します。

パノラマコンテンツ「共有」の価値

一般非公開空間の“可視化”で文化的価値を広く共有

文化財や歴史的建造物の中には、関係者以外は立ち入ることができない非公開空間が多く存在します。こうした空間は、建築的にも文化的にも非常に貴重でありながら、多くの人々にとっては「見ることのできない場所」です。
パノラマコンテンツでは、そうした非公開空間の内部を高精細かつ360度の視点で“可視化”することができます。
実例として宮内庁からのご依頼により制作した皇居の内部撮影の実績をご紹介します。

宮殿360°パノラマコンテンツの公開について

一般公開されていない皇居の内部を高精細なカメラで撮影することで細部に渡り記録が可能となり、空間の質感や構造までも鮮明に確認できます。
特に反響が大きかったのは「豊明殿」です。宮中晩餐会の会場として使用されるこの部屋は、内部の映像がメディアで放送されることはあったものの、細部までじっくり見る機会はほとんどありませんでした。
パノラマコンテンツでは、クリスタルガラス製のシャンデリアや、杉山寧の作品「草」を図案化した手織りのじゅうたん、さらに正面の壁面に飾られた、中村岳陵の原画をもとにしたつづれ織の壁画「豊幡雲」など、空間に込められた意匠の数々を細部まで確認することができます。国賓をもてなす場にふさわしい格式と美しさが、映像を通じて伝わってきます。
このように、一般公開が難しい施設においても、パノラマコンテンツを通じてオンラインでの閲覧が可能となり、文化資源の共有の幅が広がっています。

※注目度が高く、多くのメディアにも取り上げられました。

観光地などの「来たくても来られない人」に向けた公開手段

パノラマコンテンツは、地理的・身体的な理由で現地を訪れることが難しい方々にとっても、有効な代替手段となります。たとえば、高齢者や障がいをお持ちの方、遠方に住む方、あるいは海外在住の方々に対しても、パノラマコンテンツによって“現地の空気”を届けることができます。

実際に現地を訪れる前の「下見」としての活用も可能です。観光客が訪問前に施設の雰囲気や見どころを把握することで、より満足度の高い観光体験ができます。また、コロナ禍以降、非接触型の文化体験やバーチャルツアーのニーズが高まったこともあり、パノラマコンテンツの重要性はさらに増しているといえるでしょう。

展示空間内に設置された絵画や工芸品などの作品に、詳細写真や解説資料(PDFなど)をリンクさせることも可能です。バーチャル体験をしながら学びや理解を深めることができるのもパノラマコンテンツの魅力です。

各種SNS等のオンライン発信によるPR展開

パノラマコンテンツは、WebサイトやSNS、YouTubeなどのさまざまなオンラインチャネルでの発信にも活用できます。
施設の公式サイトにパノラマコンテンツを埋め込むことも可能です。
SNSに印象的なカットを投稿することで注目度や話題性を高める効果も期待できます。
また、デジタルサイネージでの応用によりイベント会場や施設内での展示にもご利用可能です。
パノラマコンテンツの多様な活用方法により、施設や建物の魅力をより多くの人々に届ける手段として大きな可能性を持っています。

パノラマコンテンツ「記録」の価値

災害や老朽化による文化財損失への備え

地震や台風といった自然災害、あるいは経年劣化による構造的なダメージは、歴史的建造物や文化財にとって大きな脅威です。そうした損傷や損失に備える手段として、パノラマコンテンツによる空間記録が注目されています。
また、時間の経過とともに変化していく様子を継続的に記録していくことで、文化財の保存状況を視覚的に管理するツールとしても機能します。

修復・改修・再建における資料としての活用

文化財や歴史的建築物の修復・改修には、正確な資料の存在が不可欠です。図面や静止画だけでは捉えきれない空間の奥行きや配置、光の入り方なども、パノラマコンテンツではリアルに記録できます。
こうした資料は、専門家による修復計画の立案や施工精度の向上に役立ちます。特に一般に公開されていない部分など、通常では撮影が困難なエリアの記録が後世に残ることで、文化財の保存・再生において大きな価値を発揮します。

【まとめ】未来への記録として、今残しておく価値

パノラマコンテンツは、「共有」と「記録」という2つの側面から、空間の持つ魅力や価値を伝える強力な手段です。観光地や歴史的空間を世界へ、未来へとつなげていくうえで欠かせないコンテンツとなるでしょう。

新たなコンテンツとなるため、仕様や実装までの流れについては随時ご相談に応じながら対応させていただきます。お気軽にお問い合わせください。