制作会社として日々様々な案件を進めていますが、クライアントは千差万別です。
同じクライアントでも案件ごとに担当者が違えば仕事の進め方も変わります。
Creekvitでは、動画やWEBの制作ではディレクターがクライアントとの窓口となり、打ち合わせで決めた内容を整理し、カメラマンやエディター、デザイナーに渡して納品まで進めます。
クリエイティブを作る側としては少しでも詳細にクライアントの意向を知りたいところだと思います。
もちろん100%の情報共有ができれば一番良いかもしれませんが、現実の制作ではそうはいきません。
それどころか70%共有できれば良いほうで、50%以下なんてこともザラだと思います。
制作の初期段階ではクライアントがまだ言語化できていない部分、イメージはあるけどぼんやりしているビジュアルなど、全てがふわっとしたところから始まると思います。
こういったクライアントもイメージがはっきりと固まっていない部分は先にビジュアルに落とし込んであげることが得策です。
みなさんはどちらのクリエイターと仕事がしたいですか。
Creekvitでは「クリエイターB」のように、インプットが少なくとも、制作の早い段階で自分なりの仮説を立ててビジュアルイメージを上げてしまいます。
情報が無く、穴埋めできない部分については「当て」を入れておけば全体のイメージは掴めます。
一番のメリットとして、ある程度のビジュアルイメージが形になると制作が一気に前進します。
よほど見当違いのものを出されればクライアントも当然困惑しますが、精度の高い仮説から導き出されたものであればお互いに次のステップが見えてきます。
「そうそう。全体はこのイメージ通り。細かいんだけどここの情報については…」といったように、人間は形が無いものを想像するのは非常に苦手で、ある程度形になったものを見ると、それを基準に色々なアイディアが湧いてきます。
これは完成までのレールを敷いてあげる作業とも言えます。
過去の案件を振り返ってみても、この作業をするかしないかで完成までのスピードと品質が相当に変わってくると実感しています。
クリエイターはどうしても「最高の出力を見せたい」と考えて完璧な状態になるまで制作物を提出したくないと考えがちです。
ですが、足りない部分を自分で調べたり、穴埋めして「ある程度」の形でまず初稿を出してしまうことが、結果的に良いものに仕上がる可能性が高いと思います。
仮に初稿が間違っていたとしても、早めに出したことで、その後修正をする時間が十分に残されていますし、方向転換も可能です。
ですので
①限られた情報から仮説を立てる
②仮説を元にしたビジュアルイメージを作成→提出
③ビジュアルイメージを元に修正・追加を行い制作を進める
④納品
このように仮説をうまく制作に取り込んで進めていくとスムーズに仕事が進みます。
ビジュアルイメージを出すために、クライアントから完璧な情報を求めてしまうと、①→②がいつまで経っても終わりません。
ディレクターが打ち合わせの際に情報を全て聞いてくれれば良いのでは?と思うかもしれませんが、実際は不可能です。
なぜならば前半でお伝えしたように、実際の制作ではクライアント自身も言語化できていない部分や、イメージがはっきりと固まっていない部分が多いからです。
ディレクターが上手にデザイナーやエディターに指示を出すことは重要ですが、上記のように打ち合わせの段階では決まっていない部分も多く、制作者には仮説を立てて仕事を進めていく能力が求められます。
そもそも発注する側からすればクリエイティブを依頼する前提として「ぼんやりとしたものを形にしてもらいたい」という思いがあるわけです。
ですので、制作者にはクライアントからもらった情報の重要な部分を抽出し、仮説を立てて積極的に提案していく姿勢が重要だと考えます。
全ての仕事は誰かの「困った」を解決するために存在しています。
ただ作って終わるのではなく、さらに一歩踏み込んだ具体的な解決策を提示してあげることが、いつの時代も制作者に求められていることだと、Creekvitは考えています。