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January 26,2024
クライアントワークを行う動画制作者の安全なデータ管理方法(小規模チーム向け)

動画制作者にとって日々増えていくデータの管理は常に悩みの種。
特にここ数年で4Kや8Kの映像素材を扱うことが増えたため、1TBや2TBのHDDはあっという間に容量がいっぱいになってしまいます。

なによりも怖いのがデータの消失です。
幸いなことに、これまで6年間会社を運営してきてデータが無くなってしまったことはありませんが、常に細心の注意を払っています。
ここでお伝えしたいことは、当たり前のことかもしれませんが、「バックアップを取る」ことが最も重要です。

【進行中案件の管理方法】
Creekvitではまず進行中の案件(常に編集やプレビューを行うもの)については2TBのSSDを使用しています。
過去にはHDDで運用していましたが、扱う素材を全て4K以上にしてからは速度の問題でSSDに切り替えました。

撮影が完了したり、クライアントから素材が送られて来たらまずはこのSSDにデータを保存します。
プロジェクトは当然フォルダごとに分けますが、チームで管理する場合はフォルダの名称もルールに沿って付与することをおすすめします。

例) 240122_会社名_プロジェクト名

Creekvitでは撮影データおよび素材は「Media」というフォルダを作成して管理します。
マルチカメラで撮影する場合がほとんどですので、「Camera_01」「Camera_02」といった形で管理しています。

【バックアップ】
SSDへのデータ保存が完了したら次はバックアップを取ります。
バックアップはNASを用いています。

現在Synologyの4ベイで8TB×4枚で運用しています。
進行中の案件はSSDとこのNASに保存しておき、終了したら削除します。
NASの良いところは
・複数人で同時にアクセスが可能
・MacではFinderに接続してローカル環境と同じ感覚でデータの保存や確認が可能
・出先からデータを保存したりダウンロードも可能(iOSアプリもあります)
・クライアントを特定のフォルダへ招待し、撮れ高のチェックをしてもらえる

特に個人的に気に入っているのは出先から自社のNASにアクセスできるところです。
遠征時などは撮影したデータをホテルで夜のうちにNASへアップロードし、バックアップをとっています。
撮影チームと編集チームで分かれている時など、撮影期間中に編集チームがデータをダウンロードしてプロジェクトを先に進めていくこともできますので、効率的なワークフローが実現します。
NASのデータは案件が終了次第削除しますので、こちらの容量は特に問題になりません。

【案件が終わったあとの管理方法】
案件が完了した後はローカルのHDD(4TB)にプロジェクトファイル全てを移動させ、期間を定めず保管しています。
そのためローカルHDDは年々増えていきます。
費用も場所もかかりますので、全ての方にはお勧めできませんが、過去のデータを保有しているとメリットも多くあります。

たとえばクライアントへ納品が完了したプロモーション動画、採用動画など、出演者の変更やテキスト、テロップの変更等の新たなバージョンを制作する機会もあるでしょう。
実際にCreekvitのクライアントでも毎年更新を依頼されるケースが少なくありません。
依頼側からすれば少額の予算で最新版にリニューアルでき、制作側としても負荷をかけずに新しいコンテンツを提供することができます。
使わなかったロケーション素材はウェブ上で販売したりもできますし、制作者にとって映像や写真は資産と言えるでしょう。

ちなみにCreekvitでは2017年の創業当時から依頼いただいた案件全ての素材、完パケ、プロジェクトファイルを保管しています。
こういった素材を活用して自社のREELを作成したりと、過去のデータを保有することは多くのメリットがあります。

【まとめ】
デジタル産業に関わる人間にとってデータは最も重要な資産です。
できる限りダブルバックアップをとり、保管場所も分散させることがベストといえるでしょう。
管理のフローは試行錯誤が必要ですが、今後もより良い方法を考えて、みなさまの参考となる情報をお届けしていきたいと思います。