
幼稚園の想いを伝える新たな一歩 – WEBサイトリニューアルの裏側
はじめに
子どもたちの「生きる力」を大切に育てることを理念に掲げる札幌ゆたか幼稚園。
今回、WEBサイトの全面リニューアルを通じて、ブランディング強化と保護者とのより良いコミュニケーションの仕組みづくりに取り組まれました。
その背景には、創立当時から変わらない教育への想いと、日々の実践がありました。
今回の座談会では、園長先生と総主任に、園の魅力や課題、そしてリニューアルによる変化について伺いました。
学校法人 札幌豊学園 認定こども園 札幌ゆたか幼稚園
理事長・園長 丸谷 雄輔氏

学校法人 札幌豊学園 認定こども園 札幌ゆたか幼稚園
総主任 丸谷 奈緒氏

聞き手
株式会社Creekvit
代表取締役 高梨慎太郎

幼稚園の歴史と教育方針の原点
高梨
では、まずは幼稚園のことからお聞きしてもいいですか?
園のホームページにも概要は書かれていましたが、今の「札幌ゆたか幼稚園スタイル」と言えるようなものが始まった背景についてお伺いしたいです。
創設されたのは園長先生の祖父だったんですよね?
園長
そうですね。創設者は私の祖父です。その後すぐ祖母が引き継ぎ、現在は私が園長として3代目になります。
祖母の園長としての期間が長くて、私の記憶の中では祖父よりも祖母の姿が印象に残っていますね。祖父は、私が2歳の誕生日を迎えた直後に亡くなっているので、記憶はほとんどありません。
祖父の話は、祖母から聞いた内容がほとんどです。

高梨
なるほど。祖父の志を、祖母が受け継いでこられたんですね。今のスタイルは、その流れの中で自然と生まれてきたものなんですか?
園長
いえ、今の「札幌ゆたか幼稚園スタイル」と呼ばれるような教育の在り方は、私が園長に就任してから13年かけて少しずつ整理し、構築してきたものです。
祖父はもともと高校の国語教師で、教育者としての原点は「幼児教育」にあると考えていて、その思いから幼稚園を創設しました。
今から約60年近く前になります。
当時の幼児教育は「できることを増やす」「小学校の準備教育」といった要素が強かったんですね。もちろん、うちの園だけでなく、多くの園がそうでした。
高梨
なるほど。今とはだいぶアプローチが違ったんですね。
園長
はい。ただ平成元年に国が示す幼稚園教育の指針が大きく変更され、本当はそこで大きな転換が必要だったんですが、実際には変わりきれなかった園が多いんです。
今ようやく、全国的に「教育の在り方を見直さないといけない」という動きが出てきていますが、そこに早くから向き合いたいという思いが私の中にはあって。
私が園長になる前から少しずつ変化を試みていて、園長に就任した13年前からは特に力を入れて、15年ほどかけて今の形が少しずつ定着してきた、という感じですね。

非認知能力と子どもたちの成長
高梨
ゆたか幼稚園で大切にされている「非認知能力」についてもぜひ詳しくお聞きしたいです。
最近よく耳にする言葉ではありますが、改めてどんな考えで実践されているのか伺いたいです。
園長
非認知能力という言葉自体は近年注目されるようになりましたが、私たちが目指してきたことはずっと変わっていません。
スキルや知識を一方的に教え込むよりも、子どもが自分で考えたり、自ら選択したりする中で、様々な心の動きを経験することで育まれる「目に見えない力」を大事にしたいんです。
もちろん、読み書きや計算も大事ですけれど、それだけではますます複雑化する社会を生き抜けません。
精神的なたくましさ、誰かに言われて動くのではなく、自分で考えて決めて動く力、そういった力のほうがずっと重要だと感じています。
総主任
たとえば園生活の中でも、大人があれこれ指示するのではなくて、子ども自身が「今日はこれをしたい」と決められるようにしています。
私たちはその選択をサポートする存在であって、誘導する存在ではない、という意識を持っています。

園長
大人が先回りして全部整えてしまうと、子どもは「自分で考えなくていいんだ」って思ってしまいますよね。
失敗してもいいし、うまくいかなくてもいい。その経験を通じて自分で学んでいけるようにしたいんです。
あと、最近は小学校の先生方が視察に来てくださることも増えてきました。幼児教育の大切さに気づかれる方が増えていて、うちの園の取り組みに興味を持ってもらえるのは嬉しいです。
高梨
確かに、非認知能力って、すぐに数値で見えるものではないけど、長期的にはものすごく大きな差になりますよね。
子どもたちの中で、自分で考えて動けるようになると、家庭の中の雰囲気にも影響が出てきたりするんじゃないですか?
園長
はい、ありますね。
園での教育が親御さんの子育て観にも影響を与えていて、「そうか、子どもに全部やらせる必要はないんだな」とか、「自分でできる力を信じて待ってみよう」といった考えが家庭にも広がっていくのを感じます。
だからこそ、園と家庭が同じ方向を向いていることがすごく大事なんですよね。

保護者・教職員との価値観の共有
高梨
これまでのお話から、園の教育方針が職員の皆さんや保護者の方にも深く浸透している印象を受けました。
保護者との関係性についてもぜひお聞かせください。
園長
ありがたいことに、保護者の方との価値観のズレというのはあまり感じないんです。
もちろん園を選ばれる時点で、理念や考え方に共感してくださっている方が多いというのもありますが、入園後も日々のやりとりやお便りなどを通して、園の考え方を丁寧に伝えていくようにしています。
総主任
保護者の皆さんもすごく協力的で、園の取り組みに共感してくださっていると感じますね。
私たちが「子どもの主体性を大切にしているんです」とお伝えすると、「家でも見守ってみます」と言ってくださったりして。
園と家庭が自然に同じ方向を向けているという感覚があります。

園長
あと、教職員も同じですね。理念に共感して応募してくれる方が多くて。
そうでないと、なかなか同じ方向を向いて保育をしていくのは難しい部分もあるので…。
でも逆に言えば、そこが一致しているからこそ、職場の雰囲気もすごく良いんです。チームとしての連携もしやすいですし、新しく入った先生もスムーズに馴染んでいきます。

高梨
採用の面でも工夫されているんですか?
園長
はい、「カムバック採用」とも言えるのですが、出産や育児で一度退職された先生が戻ってこられる仕組みをつくっています。
以前から勤務していた先生なので、理念を理解してくださっているのもありますし、働き方の相談にも柔軟に対応できます。
総主任
実際に戻ってきて活躍している先生もたくさんいますよ。
やっぱり一度離れても「またここで働きたい」と思ってもらえるのは嬉しいですね。

高梨
なるほど、それは素敵な取り組みですね。
教育の現場って、どうしてもライフイベントと重なって離職が多くなりがちですが、そういう仕組みがあれば安心して戻ってこられますし、理念の継承にもつながりますよね。
園長
はい。理念だけでなく、現場の感覚や子どもたちとの距離感もすぐに取り戻せるので、とても心強いです。
WEBサイトリニューアルのきっかけ
高梨
今回WEBサイトのリニューアルをご依頼いただきましたが、きっかけや目的はどのようなものでしたか?
園長
いちばんは、情報が整理されていて、必要な情報にたどり着きやすいWEBサイトにしたかったんです。
保護者の方や見学を検討している方、小学校の先生など、いろんな方が園のことを知る入り口として使われるので、「伝わる」ことがすごく大切だと思っていて。

総主任
特に動画や写真で雰囲気を伝えることができるようになったのは大きいですね。
前のサイトは、どうしても情報が分散していて…。
実際に道案内としてもあまり機能していなかったですし、使い勝手に課題を感じていました。

園長
最近では、小学校の先生が事前にホームページを見てから視察に来てくださることも増えていて、「よく分かりました」「雰囲気が伝わりました」とおっしゃっていただけることが増えました。
依頼の経緯・決め手
高梨
たくさんある会社の中から、弊社にご依頼いただいた決め手は何だったのでしょうか?

園長
最終的には…総主任が、Creekvitさんを推していたことが決め手ですかね。
私は、昔から総主任のデザイン的なセンスをとても信頼しているんです。だから、総主任が言うなら間違いないだろうと。
あとは人柄や価値観がしっくり来たというのも大きかったです。
ホームページの全面リニューアルということで、我々にとっても一大事業になります。
大きなプロジェクトを一緒に進めるには、感覚の部分が合うかどうかが大事だと思っていました。
主任
タイミングも良かったですよね。
園のほうでも「そろそろ変えたいね」という話が出ていた頃だったので、ご縁を感じました。
制作時の難しさ・改善点
高梨
制作の過程では、難しさを感じた場面もあったと思いますが、いかがでしたか?
園長
そうですね、日々の業務のある中で進めていくというのはもちろん大変なことでした。
そういった部分も配慮していただき、スムーズに進めることができましたので、とても感謝しています。
強いて言えば…基本的にはメールやチャットなどオンラインでのやり取りが中心だったのですが、本音を言うと、対面で会って紙に書き込みながら相談したり、ちょっとしたニュアンスをその場で伝えられる打ち合わせがもっとできたらよかったなというのはありますね。

総主任
園の業務ってスケジュールが結構流動的で、オンラインのやりとりだとどうしても返信が後回しになってしまうことがあるんです。
対面だとその場で確認・決定ができるので、結果的にスムーズに進んだかなという印象もあります。
アナログのほうが安心するということもあるのですが(笑)

高梨
大変貴重なご意見をいただきありがとうございます。
たしかに…我々はついついデジタルで全てを完結させたいと考えがちなところがありますね(笑)
こうしてインタビューをさせていただいたことで本音をお聞きできて良かったです。
制作時の進行方法については今後の改善点として残しておきたいと思っています。
ワードプレスの管理画面については、使い勝手などいかがですか?
総主任
ワードプレスの管理画面はとても使いやすくて、マニュアルも助かっています。
今では年間行事の更新やお知らせの掲載も、園内で対応できるようになりました。
園長
あのマニュアルは本当にありがたかったです。
何かあったときに自分たちで直せるというのは、日々の運用において大きな安心材料になっています。

制作物の感想・活用事例
高梨
リニューアル後のWEBサイトや写真、動画などについて、実際に使ってみての感想はいかがでしょうか?
園長
とても良いです。デザインも満足しています。
写真が本当にきれいで、「園らしさ」をしっかり切り取ってくれているのがありがたかったです。
園内の雰囲気がそのまま映し出されているような印象で、「こういうことを大切にしている園なんだな」というのが、写真を見るだけで伝わる。これはプロの力だなと実感しました。

総主任
動画についても、本当にいろんな場面で活用しています。
園紹介として、外部の先生をお招きする講演会や、小学校の先生が視察に来られた際にも見てもらっていますし、最近では韓国からの教育視察団にもお見せしました。
園長
言葉で説明するよりも、動画を見てもらったほうが、園の空気感や私たちの考えが伝わるんですよね。
「あ、こういう教育をしているんですね」と、映像を通じて共感していただけることが多くて、本当に作ってよかったと思います。
総主任
ホームページを見たあとに、園に来られる方が「すごく雰囲気が伝わってきました」とおっしゃるんです。
情報が整理されていて、写真や動画で視覚的にも伝わるので、第一印象としてもとても良いのではないかと感じています。

高梨
パンフレットについても、今はQRコードを活用して、必要な情報はWEBで確認していただけるようにされているんですよね?
園長
はい。以前はパンフレットにすべてを詰め込もうとしていたのですが、今はあくまで概要だけを紙でお渡しして、詳しい内容はホームページに飛んでもらうようにしています。
これは本当に便利ですし、紙の量も減らせて、環境にもやさしい(笑)。
総主任
SNSも、最近は学年ごとにリーダーを決めて、Instagramの投稿を担当してもらっています。
写真の撮り方やトーンもだいぶ統一されてきました。いずれはiPhoneの機種も揃えて、撮影環境もきちんと整えたいなと思っています。
高梨
運用面でも進化していっているのが素晴らしいですね。
私たちも、初期の導入だけでなく、運用の継続においても支援していければと思っています。
今後の展望・Creekvitへの期待
高梨
今後の展望についてもぜひお聞かせください。以前から小学校の構想があると伺っていますが、そのあたりはどうお考えでしょうか?
園長
はい。今の教育理念をそのまま小学校でも実践できたらいいなとずっと思っていて。
ただ、いきなり私学で立ち上げるというよりは、公教育の中でもできることがあるのではないか、という模索を続けています。
不登校の問題だったり、子どもたちが自分を表現しづらい環境だったり、そういった社会的な課題にも有効なんじゃないかと感じています。
もっと多くの子どもたちに、心が育つ教育を届けたいなと思いますね。
ただ、組織を大きくしていくときに、同じ理念を持って動いてくれる仲間が増えるかどうかが鍵ですよね。
だからこそ、発信の仕方や情報の整理がすごく大事になる。
今のWEBサイトや動画のように、私たちの考えが伝わるツールがあることで、共感してくれる人が集まりやすくなると感じています。

高梨
そう言っていただけてとても嬉しいです。
今後、Creekvitとしても、そういった教育の輪を広げていく支援ができればと思っています。
ちなみに、今後の制作面でご要望や課題などはありますか?
園長
あります(笑)。たとえば、卒園文集の制作ですね。毎年、かなりの労力とコストがかかっているので、もっと効率よく、しかもクオリティの高い形で作れたら理想です。
総主任
時間がかかる部分もそうですし、印刷のコストや納期のプレッシャーも大きいんです。
Creekvitさんにそのあたりの仕組み化やサポートをお願いできたら、本当に助かります。
高梨
ありがとうございます。
たしかに、文集のような繰り返し発生する制作物は、フォーマット化やクラウド運用などで効率化できる部分もあると思います。
次年度以降に向けて、提案させていただきますね。
園長
ぜひお願いします!
今後も、保護者や職員、地域の方々と共に「札幌ゆたか幼稚園スタイル」を育てていくために、パートナーとして力を貸していただけたらと思います。

制作を終えて(高梨より)
今回のWEBサイトリニューアルや動画制作を通じて、多くの時間を園内で過ごさせていただきました。
撮影の時は、子どもたちがいつも元気に皆裸足で走り回っているのが印象的でした。
園長・総主任と打ち合わせを重ねる中で、単に見映えのするデザインを作るだけでなく、園の考え方や温度感まで伝わる表現とは何かを、私たち自身も考え続けたプロジェクトとなりました。
WEBサイトの制作では、長い道のりを共に協力してゴールを目指す必要があります。
その過程でクライアントと対話を繰り返し、事業への想いなど、様々な背景を知ることができるのは、この仕事の醍醐味だと考えています。
このご縁に感謝するとともに、これからも現場の声に耳を傾けながら、心に届くものづくりを続けていきたいと思います。

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